【この記事の内容】「砂糖無添加」と「無糖」は、法令で決まっているルールが別のものです。食品表示基準の条文を引きながら、書ける条件と、売り場での見分け方をまとめました。
先に結論をお伝えします。「砂糖無添加」「糖類無添加」は“加えていない”という話で、「無糖」「糖類ゼロ」は“量”の話です。ルールが違うので、「砂糖無添加」と書かれていても、糖類がゼロとは限りません。
「砂糖無添加」と書けるのは、4つの条件を全部満たしたときだけ
食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)は、「糖類を添加していない旨」を表示できる条件を、次のように定めています。
糖類(単糖類又は二糖類であって、糖アルコールでないものに限る。)を添加していない旨
食品表示基準 第7条
次に掲げる要件の全てに該当する場合には、糖類を添加していない旨の表示をすることができる。
一 いかなる糖類も添加されていないこと。
二 糖類(添加されたものに限る。)に代わる原材料(複合原材料を含む。)又は添加物を使用していないこと。
三 酵素分解その他何らかの方法により、当該食品の糖類含有量が原材料及び添加物に含まれていた量を超えていないこと。
四 当該食品の百グラム若しくは百ミリリットル又は一食分、一包装その他の一単位当たりの糖類の含有量を表示していること。
「砂糖不使用」「砂糖無添加」「糖類無添加」は、この4つを全部満たしたときにだけ書けます。4つのうち1つでも外れれば、書けません。
「無糖」「糖類ゼロ」は、こちらは量の話です
同じ食品表示基準の別表第十三に、量の基準値が書かれています。
| 表示 | 言えるのは |
|---|---|
| 無糖・糖類ゼロ・シュガーレス (含まない旨の表示) | 糖類が100gあたり0.5g未満 飲みものは100mlあたり0.5g未満 |
| 低糖・微糖・糖類ひかえめ (低い旨の表示) | 糖類が100gあたり5g以下 飲みものは100mlあたり2.5g以下 |
| 砂糖不使用・砂糖無添加・糖類無添加 (糖類を添加していない旨) | 上の4つの条件を全部満たしたとき 量の基準はありません |
「無糖」は量、「砂糖無添加」は加えたかどうか。ここが分かれ目です。
だから「砂糖無添加」でも、糖類がゼロとは限りません
たとえばドライフルーツや果汁の飲みものは、もともと果物に糖類が含まれています。そこに砂糖を足していなければ「砂糖不使用」と書けますが、糖類の量がゼロになるわけではありません。
量を知りたいときは、「無糖」かどうかではなく、栄養成分表示の「糖類」の数字を見てください。上の条件の四に「糖類の含有量を表示していること」とあるので、「砂糖不使用」と書いてある商品には、糖類の量が必ず書かれています。
もともと入っている糖はよいが、甘みの代用に使うとだめ
ここが分かりにくいところです。消費者庁の「食品表示基準Q&A」に、そのままの質問と答えがあります。
(加工-230)糖類無添加について、食品本来の成分として糖類を含む場合であっても、糖類の代用として使用しなければ、糖類無添加表示はできますか。
消費者庁「食品表示基準Q&A」第2章 加工食品
(答)可能です。
果物などにもともと含まれている糖は、そのままでかまいません。だから果汁100%のジュースやドライフルーツにも「砂糖不使用」と書けます。
一方で条件の二は「糖類に代わる原材料又は添加物を使用していないこと」です。砂糖のかわりに甘みを足すために何かを加えた場合は、この条件に当たります。「砂糖のかわりに◯◯で甘みをつけました」という商品がこの表示を使えるかどうかは、何をどう使ったかによります。
糖アルコールを使っていても「糖類無添加」と書けます
同じQ&Aに、こんな質問もあります。
(加工-227)糖アルコールを使用した場合、糖類無添加と表示できますか。
消費者庁「食品表示基準Q&A」第2章 加工食品
(答)栄養成分に係る表示における糖類の定義は、単糖類又は二糖類であって糖アルコールでないものであるため、表示は可能です。
条文の「糖類」の定義が「単糖類又は二糖類であって、糖アルコールでないもの」だからです。キシリトールやエリスリトールなどの糖アルコールで甘くしてあっても、「糖類無添加」と書けます。甘くない、という意味ではありません。
無添加印が調べた2,529品では、285品に異性化液糖がありました
「果糖ぶどう糖液糖」「ぶどう糖果糖液糖」などをまとめて異性化液糖といいます。これは単糖類の混合物なので、法令上の「糖類」にあたります。使っていれば「糖類無添加」とは書けません。
無添加印は市販品3,074品の原材料表示をメーカー公式サイトで確認しています。そのうち原材料が分かった2,529品を数えたところ、異性化液糖の記載があったのは285品(11%)でした。分類によって差が大きく出ます。
| 分類 | 原材料を 確認できた数 | 異性化液糖の 記載があった数 | 割合 |
|---|---|---|---|
| ケチャップ | 71品 | 31品 | 44% |
| めんつゆ | 196品 | 72品 | 37% |
| ドレッシング | 187品 | 59品 | 32% |
| キムチ | 297品 | 73品 | 25% |
| 食パン | 49品 | 9品 | 18% |
| 白だし | 114品 | 19品 | 17% |
| 業務スーパー | 102品 | 10品 | 10% |
| 醤油 | 251品 | 9品 | 4% |
異性化液糖は食品添加物ではなく食品原材料なので、原材料表示の「/」より前に書かれます。この記事は、使われていることの良し悪しを述べるものではありません。
よくある質問
「砂糖無添加」と「無糖」は何が違いますか?
「無糖」は量のルールで、糖類が100gあたり0.5g未満のときに書けます。「砂糖無添加」は加えたかどうかのルールで、食品表示基準の4つの条件を全部満たしたときに書けます。量の基準はありません。
「砂糖無添加」なら糖類はゼロですか?
ゼロとは限りません。果物などにもともと含まれている糖類は残ります。量を知りたいときは、栄養成分表示の「糖類」の数字を見てください。「砂糖不使用」と書いてある商品には、条件の四により糖類の量が必ず書かれています。
果物の糖が入っていても「砂糖不使用」と書けますか?
書けます。消費者庁の「食品表示基準Q&A」(加工-230)に、「食品本来の成分として糖類を含む場合であっても、糖類の代用として使用しなければ」表示できる、と書かれています。
砂糖のかわりにはちみつや濃縮果汁で甘みをつけた場合はどうですか?
条件の二に「糖類に代わる原材料又は添加物を使用していないこと」とあります。甘みを足すための代用として使えば、この条件に当たります。何をどう使ったかで変わるため、気になる場合はメーカーにご確認ください。
「砂糖不使用」と書いてあれば「ショ糖」の量が分かりますか?
「ショ糖」ではなく「糖類」の量が分かります。同Q&A(加工-231)に、「『ショ糖』の量を表示する必要はありませんが、『糖類』の表示を行う必要があります」とあります。栄養成分表示の「糖類」を見てください。
「果糖ぶどう糖液糖」が入っていても「砂糖無添加」と書けますか?
書けません。果糖ぶどう糖液糖などの異性化液糖は単糖類の混合物で、法令上の「糖類」にあたります。
「無添加の砂糖」を探しています。
砂糖そのものを選びたい場合は、市販の砂糖137品を調べた無添加の砂糖の記事をご覧ください。この記事は「砂糖を加えていない食品」の表示ルールについて書いたものです。
この表示のルールはどこで決まっていますか?
食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)の第7条と別表第十三です。条文は上に引用しています。
この記事の調べ方
表示のルールは、e-Gov法令検索で食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)の条文を取得し、第7条と別表第十三から引用しました。あわせて消費者庁の「食品表示基準Q&A」第2章 加工食品から、加工-227・加工-230・加工-231を引用しています。
商品の数字は、無添加印が市販品3,074品の原材料表示をメーカー・小売の公式サイトで1品ずつ確認したものです。原材料が分かった2,529品を対象に数えています。Amazon・楽天・まとめサイトの情報は根拠にしていません。調査は2026年9月に行いました。原材料は変更されることがあるため、購入時は現物の表示をご確認ください。
つぎは、どれから変える?
無添加印は2720品の原材料表示を確認しています。見つかりやすさは分類でまるで違い、砂糖90%、めんつゆ11%です。どれから変えると続くのかを、お住まいの近くで買える店から選びます。


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