【この記事の内容】市販の醤油270品の原材料表示を、メーカー公式サイトで1品ずつ確認しました。そのうえで、離乳食用として売られている商品ではなく、ふだん家族が使う醤油の原材料表示から選ぶ方法をまとめています。
先に結論をお伝えします。「離乳食の醤油はいつから使えるか」について、国の指針は月齢で答えていません。こども家庭庁の「授乳・離乳の支援ガイド」には、「しょうゆ」「醤油」という言葉が一度も出てきません。書かれているのは、離乳の開始時期には調味料は必要ないこと、進行に応じて使う場合は薄味にすること、の2つだけです。
原材料表示のほうは、はっきりした数字が出ました。原材料を確認できた251品のうち108品(43%)に「アルコール」または「酒精」の記載がありました。一方、無添加印の基準を満たした134品には、その記載がある商品は1品もありませんでした。
「いつから」に、国の指針は月齢で答えていません
離乳食について国がまとめている資料は、「授乳・離乳の支援ガイド」です。2019年に改定されたもので、現在の所管はこども家庭庁です(改定当時は厚生労働省)。
この資料の全文を検索しましたが、「しょうゆ」も「醤油」も1度も出てきません。調味料について書かれているのは、次の一文だけです。
調味について、離乳の開始時期は、調味料は必要ない。離乳の進行に応じて、食塩、砂糖など調味料を使用する場合は、それぞれの食品のもつ味を生かしながら、薄味でおいしく調理する。油脂類も少量の使用とする。
授乳・離乳の支援ガイド(平成31年3月改定)
つまり、「何か月から醤油を使ってよい」という月齢は、国の指針には書かれていません。離乳食の情報サイトでよく見かける「中期(7〜8か月頃)から少量なら」といった月齢は、このガイドに書かれているものではありません。
ガイドが月齢を示しているのは、離乳そのものの開始と完了についてです。
離乳の開始とは、なめらかにすりつぶした状態の食物を初めて与えた時をいう。……その時期は生後5〜6か月頃が適当である。ただし、子どもの発育及び発達には個人差があるので、月齢はあくまでも目安であり……
同ガイド「離乳の開始」
進め方は一人ひとり違います。いつから使うかは、かかりつけの小児科や自治体の栄養相談で、お子さんの様子に合わせて相談してください。この記事でお伝えできるのは、使うと決めたときにどの醤油の原材料表示がどうなっているかだけです。
醤油の原材料表示で見るのは「/」の後ろとアルコール
醤油の原材料表示は、多くの商品で次のどちらかの形をしています。
- 大豆(国産)、小麦(国産)、食塩(国内製造)
キッコーマン「いつでも新鮮 国産しょうゆ」の公式表示 - 脱脂加工大豆(大豆(アメリカ又はカナダ(5%未満))(分別生産流通管理済み))、小麦、食塩/アルコール
キッコーマン「いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ」の公式表示
食品表示のきまりでは、「/」より後ろに書かれているものが添加物です。「アルコール」「酒精」は、この「/」の後ろに書かれていることが多い原料です。
無添加印が原材料を確認できた251品のうち、アルコールまたは酒精の記載があったのは108品(43%)でした。おおよそ10本に4本の割合です。
一方で、無添加印の基準(原材料表示に添加物の記載がなく、酵母エキス・たん白加水分解物もないこと)を満たした134品には、アルコール・酒精の記載がある商品は1品もありませんでした。
ただし「/」があるかどうかだけで判断しないでください。アルコール・酒精の記載があった108品のうち106品は「/」の後ろに書かれていましたが、残りの2品は「/」がなく、原材料名の最後に続けて書かれていました(「大豆、小麦、食塩、アルコール」のような形です)。原材料名は最後まで読んでください。
この記事は、アルコールの表示があることの良し悪しを述べるものではありません。加熱によってどうなるかも、無添加印では確認していません。表示にあるかないか、という事実だけをお伝えしています。気になる場合は、かかりつけやメーカーのお客様相談室にご確認ください。
基準を満たした134品のうち、111品は原材料が3つだけ
基準を満たした134品の原材料を数えたところ、111品は「大豆・小麦・食塩」の3つだけでした。さらに6品は2つだけです。残りは、うすくち醤油に使われる米や、有機の表示が加わるものです。
裏面を見て、原材料が3つで終わっていれば、それが目印になります。「無添加」と大きく書かれているかどうかは関係がありません。書かれていなくても3つだけの商品はたくさんあります。
なお「国内製造」は「国産」ではありません。「食塩(国内製造)」は、国内で加工されたという意味で、原料の産地を示すものではありません。産地まで知りたい場合は、大豆・小麦それぞれの産地表示を見てください。
スーパーで買える大手の醤油にも、該当する商品があります
基準を満たした134品は、専門店や通販のものばかりではありません。キッコーマン・ヤマサ・ヒガシマル・フンドーキン・イチビキといった大手メーカーにも、イオンのトップバリュや生協のプライベートブランドにも該当があります。
特別な店に行かなくても、いつものスーパーの棚で選べます。下にまとめた10品は、そのなかから原材料と内容量が公式サイトで分かるものを選びました。
原材料表示を確認した醤油10品
選び方は次のとおりです。原材料表示に添加物の記載がなく、酵母エキス・たん白加水分解物もないものから、メーカーが重ならないように、濃口・うすくち・減塩・有機と種類が偏らないように選びました。並び順に優劣の意味はありません。
| 商品 | 原材料名(公式表示のまま) | 内容量 | 価格 | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | キッコーマン キッコーマン いつでも新鮮 国産しょうゆ | 大豆(国産)、小麦(国産)、食塩(国内製造) | 450ml / 200ml | 450ml:401円、200ml:297円 |
| 2 | ヤマサ醤油 ヤマサ鮮度生活 特選丸大豆しょうゆ | 大豆(カナダ産又はアメリカ産)、小麦、食塩 | 600ml / 300ml | 600ml:390円、300ml:285円 |
| 3 | ヒガシマル醤油 超特選丸大豆うすくち 吟旬芳醇 | 大豆(国産)、小麦(国産)、食塩(国内製造)、米(国産) | 400ml | 374円(希望小売価格・税抜き) |
| 4 | フンドーキン醤油 生詰国産原料丸大豆生しょうゆ | 大豆(国産、分別生産流通管理済み)、小麦(国産)、食塩 | 720ml | 希望小売価格(税抜)¥535 |
| 5 | イチビキ 無添加国産しょうゆ 750ml | 大豆(国産)、小麦(国産)、食塩(国内製造) | 750ml | 希望小売価格 600円(税別) |
| 6 | チョーコー醤油 超特選 減塩醤油 | 大豆(カナダ)、小麦、食塩 | 900ml / 500ml / 300ml / 170ml | 900ml 874円(税込)、500ml 561円(税込)、300ml 437円(税込)、170ml 324円(税込) |
| 7 | イオン(トップバリュ) 国産丸大豆しょうゆ | 大豆(国産)、小麦、食塩 | 1000ml | 本体価格258円(税込価格278.64円) |
| 8 | 日本生活協同組合連合会(CO・OP商品) CO・OP 日本の大豆醤油(北海道産丸大豆・小麦使用) | 大豆(北海道十勝)(分別生産流通管理済み)、小麦(北海道)、食塩 | 500ml | — |
| 9 | 生活クラブ 卓上用丸大豆醤油 | 大豆(中国、日本)(遺伝子組み換えの混入を防ぐため分別)、小麦(国産)、食塩(天日塩(メキシコ)) | 200ml | 本体 300円(税込324円) |
| 10 | ライフコーポレーション(BIO-RAL/ビオラル) ビオラル有機栽培の国産大豆・国産小麦で造った有機丸大豆醤油300ml | 有機大豆(国産)、有機小麦(国産)、食塩 | 300ml | — |
価格は確認した時点で各社の公式サイトに書かれていたものです。税込・税抜の別は公式の表記に合わせています。原材料は変更されることがあるため、購入時は現物の表示をご確認ください。
容量の選び方
離乳食に使う量はごくわずかです。上の10品のうち、170ml〜300mlの小さい容量が用意されているものもあります(ヤマサの300ml、チョーコーの170ml、生活クラブの200ml、キッコーマンの200ml、ビオラルの300mlなど)。
開栓後の扱いは商品によって違い、密封ボトル(空気が入りにくい容器)を採用しているものもあります。保存方法と開栓後の目安は、各商品の表示をご確認ください。
よくある質問
離乳食の醤油はいつから使えますか?
こども家庭庁の「授乳・離乳の支援ガイド」に、醤油についての記述はありません。調味料については「離乳の開始時期は、調味料は必要ない」「離乳の進行に応じて……薄味でおいしく調理する」と書かれているだけで、月齢は示されていません。いつから使うかは、かかりつけの小児科や自治体の栄養相談でご相談ください。
離乳食用の醤油を買う必要がありますか?
無添加印は「必要かどうか」を判断する立場にありません。ただ、同ガイドには「家族の食事から調味する前のものを取り分けたり、薄味のものを適宜取り入れたりして」という記述があります。ふだん使う醤油の原材料表示を見て選ぶ、という方法もあります。
醤油に「アルコール」と書いてあるのが気になります。
無添加印が原材料を確認できた251品のうち、アルコールまたは酒精の記載があったのは108品(43%)でした。基準を満たした134品には、記載のある商品は1品もありません。この記事はその良し悪しを述べるものではなく、表示にあるかないかをお伝えするものです。判断に迷う場合は、かかりつけやメーカーにご確認ください。
キッコーマンの醤油は使えますか?
キッコーマンにも、原材料が「大豆・小麦・食塩」の3つだけの商品があります。上の一覧に挙げた「いつでも新鮮 国産しょうゆ」もそのひとつです。メーカー名ではなく、商品ごとの原材料表示で見てください。
「無添加」と書いてあれば大丈夫ですか?
「無添加」の表示は、何が入っていないかを示すものではありません。実際、「無添加」と書かれていない商品にも原材料が3つだけのものは多くあります。逆に、書かれていても「/」の後ろに記載がある商品もあります。裏面の原材料表示で確かめてください。
減塩醤油のほうがよいですか?
同ガイドは「薄味でおいしく調理する」と書いていますが、減塩醤油を使うようにとは書いていません。無添加印としても、どちらがよいとはお伝えできません。一覧には減塩タイプも1品入れていますので、原材料表示の参考にしてください。
この記事の調べ方
市販の醤油270品について、メーカー・小売の公式サイトに掲載されている原材料表示を1品ずつ確認しました。251品は原材料を確認でき、19品は公式に掲載がなく判定していません。Amazon・楽天・まとめサイトの情報は根拠にしていません。
「基準を満たした」としているのは、原材料表示に添加物の記載がなく、酵母エキス・たん白加水分解物も入っていないものです。134品が該当しました。健康や安全について述べるものではありません。調査は2026年9月に行いました。
離乳に関する記述は、こども家庭庁「授乳・離乳の支援ガイド(平成31年3月改定)」から引用しています。
つぎは、どれから変える?
無添加印は2720品の原材料表示を確認しています。見つかりやすさは分類でまるで違い、砂糖90%、めんつゆ11%です。どれから変えると続くのかを、お住まいの近くで買える店から選びます。


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